灯火-ともしび-

「っ…はっ…あ…んっ…。」


自分のものとは思えない声が漏れて、急に羞恥心が熱を煽る。


「…可愛いです、夏海さん。」


そして執拗にキスを求めてくる風馬の腕がいつの間にか後頭部に回っていて、唇を離すことを許してくれない。


飽きることなくキスを繰り返す風馬の服の裾を掴む。


「…苦しいですか？」


頷く。…苦しい。酸素が足りない。


「ちょっとだけ休憩です。」

「っ…はぁ…はぁ…。
あんた、もうしないって…。」

「乱暴なキスはもうしません。無理矢理襲うなんてことももうしません。
…でも、こんな可愛い夏海さん見て抑えてられるほど、大人でもありません。」

「…開き直りやがったな…。」

「そういう生き物です。」

「んなわけ…っ…！」


再び塞がれる唇。
少し開いていたのが悪かった。
熱が根こそぎ持っていかれる。


「…っ…あっ…んっ…。」


やたらに粘着質な音が響いて、ますます身体が火照る。
後頭部に回った手が優しく頭を撫でる。
唇だってこの上なく優しくて甘い。