灯火-ともしび-

「5秒経った!」

「はいっ!ジャージです!」

「…ありがと。」

「はいっ!」


妙に身体をピシピシ動かして、風馬はドアを閉めた。



…頬が熱い。
そしてほんのりと香る、風馬の香り。


「…洋服、風馬のだもんね。」


私はそっと呟いた。



*風馬side*



…っ、俺!何やってんだよ!開ける前にノックは基本!
そうは思うものの…脳裏から離れないのはさっきの夏海さんの姿。


普段、露出の少ない格好しかしない夏海さんの細くて白い脚。
ほんのりと赤く染まる頬。
…頭からしばらく離れてくれそうにない。


「…っ…。」


熱い。身体が熱い。心臓がうるさい。黙れ。


シャツの長さが絶妙すぎた。
見えるか見えないかの位置でちらつくシャツが憎い。


「…我慢、できないかも。」