パンツを履き、ブラを付け…そしてシャツに手を伸ばす。
開いて着て、鏡を見る。


…言わずもがなぶかぶかだ。
しかも…


「…やっぱり透けるなぁ。」


キャミソールは洗濯機の中だ。
…仕方がない。多少の恥ずかしさはあるが、どうせ見るのは風馬だけだ。それならば…仕方がない。


そんなに華美なブラではないが、透けるというのはやはり心地良いものではない。
…とかなんとか言ってる状況でもないが。


「夏海さん、ジャージ持ってきました。
…っ…!」


何の気なしにドアを開けた風馬の顔がみるみる赤に染まる。
ジャージで顔を隠し、さらに俯く。
そしてその赤さは私に伝染した。


「ごめんなさい!俺…。」

「…別にいい。いいからジャージ…。」

「あの…怒られること承知で言いますけど…。」

「…なに?」

「触んないから…見てもいいですか、ちゃんと?」

「は…?」

「この距離から、ちょっとだけでいいんで。」

「…先にジャージ。」

「ジャージ着る前にちょっとだけ。」

「本物の変態なんじゃないの?」

「…本物の変態でもなんでもいいんでお願いします。」

「…5秒。」

「はいっ!」


赤らめた顔をパッと上げて凝視される。
…心地の良いものでは…ない。