灯火-ともしび-

「…まだ、キスだけで…お願いします…。」

「わ、分かってます!だから返事、ちゃんとください。」


私は一度小さく息を吐いた。


「…分かんないことだらけで、色々我慢させてしまうかもしれないけど、言ってもらえればちゃんと頑張ります。
…ので、よろしくお願いします。」


私はぺこりと頭を下げた。


「こちらこそ…我慢きかなかったら…ごめんなさい。」

「…それは…なんか私が悪い…かもしれないので、なんとも…。」

「でも、嫌だったら本当に嫌って言って下さい。これ、絶対ですよ?」

「…多分ね、そんなに嫌なことないと思うよ、私。」

「え?」

「だって風馬…だもん。」

「~っ…だからっ!もうお喋りな口は封じちゃいます!」

「え…あ、んっ…!」


塞がれた唇。さっきと違うのは、熱が絡み合うということ。


「んっ…はぁっ…ふっ…。」


もちろん私はなすがまま。
苦しいということは彼の浴衣を掴んで伝えている…つもり。


「っ…はぁ…。」


唇が離れて、酸欠状態の私の身体はフラフラと彼の胸の方に傾いでいく。


「…あー…ごめんなさい。でもあんなに可愛いこと言われて、俺だってたまったもんじゃないですよ。」


『でも、やりすぎました。ごめんなさい。』
と、私の背中をポンポンと軽く撫でながら耳元でそう囁いた。