右腕が違う手に掴まれた。
「っ…はぁ…だから…夏海さんは無自覚なんです。」
少し怒ったような口調でそう言う彼に何も言えなくなる。
…素直に謝りたい、そう思う。
「誰だ、てめぇ?」
「あなたに関係ないです。手を離してください。」
「あぁ?」
「夏海さんは俺と来たんです。離してください。」
「お前んとこから逃げたんじゃねーの?」
「ま、そうですけど。でも俺はまだ夏海さんに話していないことがありますし…夏海さんもまだ聞く気があると思いますけど、どうですか?」
…色々な意味で声が出ない。
私はとりあえず頷いた。
「というわけですから離してください。
離さないなら俺も容赦しませんよ?」
静かにほとばしる目力はこの時明らかに彼の方が強かった。
「…んだよ…うぜぇ。」
残念すぎる捨て台詞を吐いて、男は去っていった。
掴まれた腕に込められる力が強い。
「…お、怒ってる?」
「怒ってます。行きますよ。飲み物も置いてきちゃいましたし。」
「…はい。」
いつの間にか繋がれた手はさっきと繋ぎ方が違う。
指が絡まり合い、しかも前よりもずっと力が強い。
「っ…はぁ…だから…夏海さんは無自覚なんです。」
少し怒ったような口調でそう言う彼に何も言えなくなる。
…素直に謝りたい、そう思う。
「誰だ、てめぇ?」
「あなたに関係ないです。手を離してください。」
「あぁ?」
「夏海さんは俺と来たんです。離してください。」
「お前んとこから逃げたんじゃねーの?」
「ま、そうですけど。でも俺はまだ夏海さんに話していないことがありますし…夏海さんもまだ聞く気があると思いますけど、どうですか?」
…色々な意味で声が出ない。
私はとりあえず頷いた。
「というわけですから離してください。
離さないなら俺も容赦しませんよ?」
静かにほとばしる目力はこの時明らかに彼の方が強かった。
「…んだよ…うぜぇ。」
残念すぎる捨て台詞を吐いて、男は去っていった。
掴まれた腕に込められる力が強い。
「…お、怒ってる?」
「怒ってます。行きますよ。飲み物も置いてきちゃいましたし。」
「…はい。」
いつの間にか繋がれた手はさっきと繋ぎ方が違う。
指が絡まり合い、しかも前よりもずっと力が強い。



