* * *
屋台が立ち並ぶ道は激戦区だった。
時間も時間なだけに人が凄い。
「っ…。」
「夏海さん。」
パッと掴まれた手。
グイッと引かれ、彼の胸が私の身体を受け止める。
「大丈夫ですか?」
「…ごめん。ちょっとぼーっと…。」
「いえ。俺の配慮不足でした。」
握られた手をきゅっと強く握り直す彼。
その手を私は振り払えない。
「…もうちょっと人が減るの待ちましょうか。
この人混みじゃせっかくの浴衣も着崩れちゃいますし。それは勿体ない。」
「…なんか飲み物だけ買って抜けよう。」
「そうですね。
あ、でもビールはだめですよ。」
「わ、分かってるってば!」
どうにかソフトドリンクを2つ購入し、人の少ない方へと移動する。
買う時には離れた手も今はしっかりと繋がれたまま。
私の左手にはグレープフルーツジュース、彼の右手にはオレンジジュースが握られている。
人混みから離れ、人気のない場所まで来た。
そこに私が腰を下ろすと、名残惜しそうに手が離れた。
屋台が立ち並ぶ道は激戦区だった。
時間も時間なだけに人が凄い。
「っ…。」
「夏海さん。」
パッと掴まれた手。
グイッと引かれ、彼の胸が私の身体を受け止める。
「大丈夫ですか?」
「…ごめん。ちょっとぼーっと…。」
「いえ。俺の配慮不足でした。」
握られた手をきゅっと強く握り直す彼。
その手を私は振り払えない。
「…もうちょっと人が減るの待ちましょうか。
この人混みじゃせっかくの浴衣も着崩れちゃいますし。それは勿体ない。」
「…なんか飲み物だけ買って抜けよう。」
「そうですね。
あ、でもビールはだめですよ。」
「わ、分かってるってば!」
どうにかソフトドリンクを2つ購入し、人の少ない方へと移動する。
買う時には離れた手も今はしっかりと繋がれたまま。
私の左手にはグレープフルーツジュース、彼の右手にはオレンジジュースが握られている。
人混みから離れ、人気のない場所まで来た。
そこに私が腰を下ろすと、名残惜しそうに手が離れた。



