やはりと言うか、何と言うか。玄関の鍵を閉めてリビングへ戻ると、ソファで膝を抱えて座る千彩が膨れっ面をしていて。
思わず零れた苦笑いを誤魔化すようにガシガシと頭を掻き、晴人は背凭れを乗り越えて隣に腰掛けた。
「ちぃ?」
「…ん」
「なぁに怒ってんの?」
「怒ってない…もん」
「ほな、拗ねてんの?」
「すねてない!」
膝を抱えたまま背を向けた千彩にバレぬようにふっと頬を緩ませ、そのまま後ろから抱える。イヤイヤと首を振る千彩の肩に額を寄せ、じっと鎮まるのを待った。
暫くして大人しくなった千彩が、ポツリ…と呟く。
「はるが…おねーさんとキスした」
あまりに可愛らしい訴えに、燻っていた加虐心が煽られる。
これだから大人は…と、恵介やメーシーがこの場に居たならば、そうため息混じりに言うかもしれない。けれど、幸か不幸か、その二人はもう家には居なくて。
この部屋には、拗ねる千彩とそれを喜ぶ晴人の二人きり。
「それで拗ねてんの?」
「だってっ!」
抗議しようと振り返ったのだろう。その途端、千彩の唇は待ち構えていた晴人のそれに掴まって。予想通りだ…と、晴人は笑いを噛み殺した。
「ちぃもしたやん、今」
「…ダメ」
「何が?」
「ちさだけなの!」
瞳を潤ませてそう訴える千彩の体を、晴人は器用に反転させて足の間に納め、そして、向かい合う。サラリと髪を撫ぜ、膨らせたままの頬に口付けた。
「もっとー」
その願い通りに、額に、瞼に、鼻先に…と順に口付け、最終地点を唇の端へと決めた。
思わず零れた苦笑いを誤魔化すようにガシガシと頭を掻き、晴人は背凭れを乗り越えて隣に腰掛けた。
「ちぃ?」
「…ん」
「なぁに怒ってんの?」
「怒ってない…もん」
「ほな、拗ねてんの?」
「すねてない!」
膝を抱えたまま背を向けた千彩にバレぬようにふっと頬を緩ませ、そのまま後ろから抱える。イヤイヤと首を振る千彩の肩に額を寄せ、じっと鎮まるのを待った。
暫くして大人しくなった千彩が、ポツリ…と呟く。
「はるが…おねーさんとキスした」
あまりに可愛らしい訴えに、燻っていた加虐心が煽られる。
これだから大人は…と、恵介やメーシーがこの場に居たならば、そうため息混じりに言うかもしれない。けれど、幸か不幸か、その二人はもう家には居なくて。
この部屋には、拗ねる千彩とそれを喜ぶ晴人の二人きり。
「それで拗ねてんの?」
「だってっ!」
抗議しようと振り返ったのだろう。その途端、千彩の唇は待ち構えていた晴人のそれに掴まって。予想通りだ…と、晴人は笑いを噛み殺した。
「ちぃもしたやん、今」
「…ダメ」
「何が?」
「ちさだけなの!」
瞳を潤ませてそう訴える千彩の体を、晴人は器用に反転させて足の間に納め、そして、向かい合う。サラリと髪を撫ぜ、膨らせたままの頬に口付けた。
「もっとー」
その願い通りに、額に、瞼に、鼻先に…と順に口付け、最終地点を唇の端へと決めた。

