「決めたんですよ」 不意に司くんがズボンのポケットから500円玉を取り出す。 「蕾さんの“青”はまだ終わらせないって決めました」 「―………え」 「貴女が見ようと出来なくても、俺達が見せることは出来る」 「………」 「“蕾”のままで終わった“青い芽”は俺達が咲かせて魅せます」 顔を綻ばせフッと笑みを浮かべたのは光陽高校ソフトテニス部部長・八神司くん。 蒼瞳は慈愛に満ちた色。 金色は眩しい太陽。