掌に収められた水色の靴ヒモを見るたび、熱い衝動に駆られる。 何だか途轍もなく山で感謝の気を叫びたい。山彦を響かせて精一杯の“有難う”の言葉を伝えたい。 誰か特定の人物に言う訳ではない。ただ感謝の気持ちを伝えたい。これまでお世話に成ってきた全ての人達に御礼を言いたくなった。 全身全霊を傾け響かせる。 木霊する『有難う』を。 青い大空の下で。 (「“青い夏に夢を見る”」)