そのまま私に背中を向けて帰った陽呂が、居なくなってから……。
どれ位、立ち尽くしてたんだろう?


ハッと気づいて部屋に入った私は、ベットに倒れ込んだ。

洗い立てのカバーの香りが鼻を擽った。

洗い立ての香りは大好き。
お日様と洗剤の香りが混じって幸せな気分にさせてくれる。

そんな香りを一気に吸い込んでも、今日は落ち着かない。


早まった鼓動を抑えることなんて出来なかった。



陽呂とのキスを思い出しては。


何が起きたの???

あんなキス初めてで……///

顔が熱い……。

うるさい……心臓!


何度も何度も同じ言葉を、頭の中で叫ぶ。

それでも消えなくて……。



そして最後に。

明日から……どんな顔すればいいの?

この言葉に繋がった。



この日は、眠れない夜となったんだ。



ただ……。



この時、私達の未来なんて私には、知る由もなく。

この先、どうなるかなんて分かる訳もなかった。