宇宙には、小惑星に紛れて攻撃をうかがう無数のロボット達がうようよいた。

 かくいうローズも、人間に近しい形のロボットに乗り込んでいる。

 顔はまるで人間の皮膚のような象牙色。紅いカーネリアンの瞳。
 女神と呼ぶに相応しいほどの美しさだが、表情は心のない人形のよう。

 髪は獅子のたてがみのようにフワリとしていて、かつ気高さを見せている。
 装甲は、赤色で統一された甲冑のようなもの。

 心臓部であろう場所には、何かが脈打つように定期的に鼓動を繰り返している。

【くをらローズ! ジェネリックスーツも着ないで水着たあどーゆー了見だあっ!】

 ローズの右横で新たなモニターが表示された。
 モニターの向こうでは、瓶底メガネの30歳前後の男性が怒り、怒鳴っている。