「ごめんなさい。変なことまで聞いちゃって…」
俯く僕に、羅后は頭を撫でてきた。ヒヤリと氷のように冷たい綺麗な手で。
「かまわぬ。佐平は良い子じゃな。清き心を、いつまでも大事にするがよい」
そう言うと羅后は、また氷の湖に戻り、舞い始めた。
羅后の待っている人は、いったい誰なんだろう?
人じゃないかもしれないけど、早く迎えに来てくれれば、きっと羅后は…。
こんな15にも満たない僕では笑顔になんてさせてあげられない。
僕ができることは、この六花の雪に願うことしかできない。
どうか、一人寂しく舞い続けている羅后に、一時でも早く、迎えが来てくれますように…。
E N D.