短編集

 そんな口論を聞きながら、指令室の数名はクスクスと笑っていた。

「大丈夫ですよ、ウィンストンさん。彼女はアルフォドルのクローバーシリーズ最後の生き残りですよ?」

「そーそー。俺達みたいなフツーの人間とは違いますから、メルクリウス・ブラッドに素肌浸からせても平気ですって」

 左右からそう言われ、瓶底メガネのウィンストンは唸る。

「そりゃローズは特別だけどさ~…」

【くぉらウィンストン! さっさとしろ~っ!】

 ローズにまた怒鳴られ、慌てて指示を出した。
 ブラッディ・マリアとローズの腰には、双頭のランスが現れ、頭上でクルリと回してまた構えた。

「おん ゆあ まあ~く!」

 舌なめずりをしながら、持つ手に力を込める。

「れでぃ~ ごーっ!!」

 その声に応えて、ブラッディ・マリアの背には鋼鉄の羽根が生え、高速で前進する。