研究室に入ったレフォール殿下は、部屋を見回して問いかけた。


「あれ? ユイは?」
「厨房に行ってます」


 ロイドが答えると、殿下は頭を抱えた。


「わぁ、じゃあ、今誰かが来て、そこへユイが帰ってきたらまずいよね。貼り紙しとかなきゃ。ロイド、書くものくれる?」

「連絡なさったのでは?」


 ロイドは紙とペンを差し出しながら尋ねる。
 殿下はそれを受け取り、ポケットから通信機を取り出した。


「通じなかったんだよ、これ」
「貴賓室からですか?」
「ううん。地下の遺跡から。ジレットと見学に行ってたんだ」