小さく舌打ちして、ロイドは顔をしかめる。
 そして、ユイの腕を掴んで引き寄せた。

 これ以上余計な事ばかり言って、からかわれては不愉快だ。

 腕の中にユイを捕まえて、メガネを外しながらロイドは意地悪な笑みを浮かべた。


「おまえもだ。余計な事ばかり言ってる口は塞いでやる。今日のノルマはまだ果たしてないしな」


 顔を近付けると、ユイは慌ててロイドのあごを手で押さえ、顔を背けた。


「ダメ! そんなノルマは後回しよ。地下の探検の方が先決でしょ?」


 ロイドは動きを止め、ユイを放すとメガネをかけ直した。

 どうせなら、約束通り思う存分味わいたい。


「それもそうだな。地下の方が邪魔が入らなくていい」