年頃になってまでそれをやってれば、さすがに不気味な少年としか言い様が無い。

確かにあやめ自身、小さい時はおじさんとの思い出の品を見つけては、おじさんを思い浮かべ、また来てねと思っていたものだ。

しかし今や、自分自身で新幹線にも乗れぬ歳でも無いので、会おうと思えばむしろ、いつでもこちらから会いに行く事だって出来る。

つまり、おじさんに会う事は、夢では無く、確実に叶えられるリアルである。

よくある、トイレに母親が行っただけで、「ママ、遠くに行っちゃった」なんて、母親に思いを馳せて泣き叫ぶ赤ん坊ではもう無いのだ。

とにかく、あやめの暇つぶしは叶いそうにも無かった。

そこであやめは、今日が学校が休みと言う事もあり、ある時、級友から聞かされていた、美味しいと評判のラーメン屋に行ってみる事にした。

だが、早速迷った。インターネットで調べてくれば良かったのだが、単にそんな話を聞いていたから、暇だから一度行ってみようか、と言ったノリで出てきただけの事だったので、そんな事をあやめは考えもしなかった。