神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物


 「…ばか」

 「え」

 ロキの蚊の鳴くような呟きを聞き取ったのは、隣に立つシャクナだけだった。

 コツコツと地面を黒いブーツが踏みしめる。

 「…ロキ、怖い」