神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物


 シャクナとロキに無視され、トボトボ歩く龍雨。

 バカみたいな会話。

 バカみたいな主従関係。

 嘘みたいな幸せ。

 眩暈がするほどの幸福。

 きっと、今だけ。

 長くは続かない。

 それでも、ロキが笑っていられるのなら。

 「…何度だって、我は生まれ変わる」

 そんなことを、思える自分を龍雨は心から好きでいられた。