神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物


 どうか、心優しい主人が傷つきませんように。

 その為ならば何度だって、何だって…

 龍雨はそんなことを考える自分を心の中で笑った。

 「…何してるの、ロン。おいて行くよ」

 「ときに主人。我の骨折は何時治して」

 「シャク、シャクは泳げるの?」

 「泳げません」

 「僕もだよ」

 「主人、我の骨折はいつ」

 「マスターは泳げなくても素敵です」

 「聞いた、ロン。ロンももう少し僕を褒めてくれていいんだよ」

 「我の話を」

 「マスター、私暑いところには免疫があまりないんです」

 「そっか。疲れたら膝枕してあげるよ、ロンが」