神様さえも朽ちらせる忌わしき呪物


 「死者の魂が生まれ変わること。すなわち輪廻の輪に入る。それは死者が転生するための道標(みちしるべ)。生前どんな罪を犯そうとも、神は中立を守り輪廻の輪に死者の魂を加える。そうでしたよね?」

 「だね」

 言い切ったロキはまるでそれを知っているかのように呟いた。

 「しかし、生きているものが暮らすこの地上では罪深き者は裁かれる。それも、神の名において」

 「…何が言いたいのです」

 シャクナの急かす声に龍雨はミッシェルの死体を見つめた。