とりあえず 少しでも覚えてもらえるようにと たくさんお話した。 「マキ、来い。」 お客様に気付かれないよう 小声で呼ばれた。 「何?」 「もう時間だから帰れ。 後、次までに髪染めてこいよ。」 「………ねぇ、あたし今日どうだった? 上手くやれてた?」 不安になりヒロの腕を ギュッと掴んだ。 「下手くそだな。 もっと周り見て勉強しろ。 ま、初めから上手く出来る 奴なんていねぇがな。」 あたしはニヤリと笑い その場から離れた。