「…どちら様だ?」


一応聞いてみる。


「あら、あんた誰よ?ソーマ、知ってる人?」 

白猫が弟の蒼磨に聞いた。

蒼磨が後ろを振り向く。


「あはは、俺の馬鹿兄貴だよ」


「愚弟に馬鹿言われる筋合いは無い。帰れ」


挨拶がわりの暴言を吐く、俺達。何時でもへらへら笑う弟は、一瞬眉を動かしたが直ぐにヘラりと笑う。

「ソーマの兄なら、貴方の名前はカイよね。今から私たちと一緒に異世界に来てちょうだい」


「…ソーマ、この変な猫捨てて来い。そして、俺の家に二度と来るな。顔を見せるな。今すぐ帰れ、とっとと帰れ。俺は寝る。」


ああ、きっと疲れているんだ。一人暮らしでアルバイトする高校生だからな俺。ははは、異世界とか喋る二足歩行の猫とかありえねぇ。寝れば疲れは取れるだろう。


「失礼だな。我らは変な猫では無いし幻覚でも無い。我らは、お前たちのパートナーだ」


水色の猫も日本語を話した。