その虚しさを埋めるために、またセックスを繰り返す。

その結果、友達を失い親にも家を追い出された。

親と同じ自分がそこにいて、それが嫌で仕方ない。

だけど、その現実から逃げたい自分。

もがいて苦しんで。

このまま生きていたくない。

…だけど死ねない。

そんな時に知り合った男の人が、ここの話をしてくれた。

家出している子達とかがいっぱいいるからって…。

「それで、『G』にいるようになったんです。」

ほほ笑んだミュウの顔が、悲しそうに泣いているように見えた。

なんで気になっていたか分った…。

このコも、あたしと同じように今でも消えない傷を抱えているからだ。

それが、なんとなく本能で分った気がする。

尚吾は、隣で唇を噛みしめながら目線をそらしていた。

尚吾にも、このコの痛みが伝わったんだ。

「ねぇ、ここは泊まれないんでしょ?」

「はい。普通は近くのホテルかネットカフェに泊まります。」

「だったら、ここに住めば?部屋だって余っているんだし。」

コツンとヒジで尚吾の腕をつついた。

「ああ、いいんじゃね?」

冷たい言い方だけど、泣きそうなのをこらえているのが分る。

「じゃあ、決まり!!」

パッとソファから立ち上がって、ミュウの目の前に手を差し出した。

「ありがとうございます。」

ニッコリ笑ってあたしの手を取った。

そのまま、ミュウの引越しを3人でした。

コインロッカーに入っていた荷物を取りに行って。

荷物っていっても、大きなバックひとつだけ…。

あたしが住んでいた部屋の隣の部屋に荷物を置いて、3人で近くにご飯を食べに行った。