「じゃあ、分ったらメール下さい。」

机の上にあったメモ用紙にメアドを書いて渡した。

「分かったわ。」

最初に見た楽しそうな笑顔じゃない。

どこか寂しそうな笑顔を浮かべていた。

その足で霧生くんの元へと直行した。

浮かれ気分で小児科に行くと、ナースステーション中から冷たい目線で思いっ切りニラまれた。

さりげなく霧生くんの横に立って、白衣の裾を引っ張った。

「なんで冷たいかな?」

ボソリとつぶやいた。

「…院長きている。801号室空いているから、そこで待っていろ。すぐ行く。」

早口でつぶやくと、足早にナースステーションを出て行った。

さすがにお父さん来ているのはマズイ。

あたしもサッサとナースステーションから出て行くと、霧生くんに言われた801号室に向かった。