絢音とお兄ちゃん。 あたしとお兄ちゃんのように。 絢音も毎晩、お兄ちゃんと… イヤな妄想が頭の中には浮かんでしまう。 だから。 「ねぇってば、今日くらいいいじゃん?」 ますますホッペが膨らんでいく。 このワガママも。 お兄ちゃんと絢音のイヤな妄想がさせる。 もし、妄想がウソだったら。 少しは一緒にいたいって言ってくれるかなって。 思ってしまうのに。 「ダダこねない。みんなの迷惑でしょ?」 あたしの心は見えないみたいで。 爽やかな笑顔をしながら。 ナースステーションを見渡した。