「これ、写真を見る限りじゃ、人間にしか見えないんだけど、動きも人間そっくりなの?」

「あぁ。体温も触感も人間と変わらない。性能のいいものは、よほど細かく観察するか、言われなければ分からないだろうな」


 結衣は思わず目を見張る。

 日本のロボット技術は、世界最高レベルだと聞いた。

 最近作られた、人間そっくりなロボットをネット上で見たが、動きはやはりロボットだとすぐ分かる。

 表情もここまで生き生きしていない。

 改めてクランベールの技術水準の高さに感服した。


「動いてるとこ、見てみたいなぁ」


 結衣がつぶやくと、ロイドは困ったような呆れたような、微妙な表情で結衣を見つめた。