翌日ロイドは、地下遺跡に潜るブラーヌと一緒に、仕事と研究室の片付けのために王宮へ向かった。
 結衣は一人で留守番となる。

 昨日来たばかりで、まだ自分の家だという実感が湧かないせいか、なんとなく落ち着かない。

 リビングから外を覗くと、小さな庭が雑草に覆われていた。庭に出てよく見ると、雑草の間にミントやローズマリーなどのハーブも生えている。

 他にする事もないので、結衣は庭の手入れをする事にした。

 木のようになったローズマリーはそのまま残し、雑草と同じ勢いではびこっているミントは、少しだけ残して庭を一掃する。

 庭が夕日に染まる頃、ようやく作業が終了した。

 雑草がなくなった空間に、ケーキにも使える木イチゴ類を色々植えてやろうと企みながら、ハタと気付いた。


「ご飯、作らなくちゃ!」