一方、黒王の歩は徐々に速くなり、速くなっていることに気付くとまた遅くするを繰り返していた。気持ちが急ぎ、体がそれに影響されている。 内ポケットにある一枚の紙が擦れる音がする。それに興奮し、また歩が速まる。 誰もいない、薄暗く埃まみれの非常階段を駆けるように上がる。 黒王は下がり続けていた口角を僅かに上げて―― 「まずは、一人目」 誰に届くこともなく、黒王の呟きは靴と階段が奏でるステップに掻き消されたのであった。 Seven Colors ~01 契約~ 完