(よかった。今日はすいてる。)
１階の玄関につながる南階段をおり
た私は胸をなでおろした。
この学校の生徒たちはなんだか時間
間隔がみんな似ているらしく、普段
ならば玄関は全校生徒があふれかえり
大変なっている。
はやめにきて正解だった。
玄関にはまだ、１０人くらいしか人が
いない。

私は１-４の下駄箱に向かった。

階段をおりて左に曲がると、まず２年生
の下駄箱があり、その向こうに１年生の
下駄箱がある。
１、３、５組、２、４、６組で偶数奇数
列が分かれており、４組の列はちょうど
廊下から死角のところにある。
何カ月かに一回、曲がり角でぶつかって
怪我をする、ということがあるが、本当
に稀なことなので、周りを見渡したりす
る生徒はいない。
私もそのうちの一人だ。