腕時計がさす時刻は、12:10。
約束の時間…の、はず。


ううん、それよりも10分過ぎてる。
いつもなら彼はすでに着いている筈、なのに。


私の名前は澤野(さわの)ゆかり。
7年間も付き合ってる彼氏と待ち合わせ中。


いつもの喫茶店での待ち合わせ。
机に置かれたお冷で喉を潤す。


遅いなぁ…。
徳ちゃん、何やってるんだろ。


いや、たいして遅くないんだけど。
いつも10分前には着いてるから、なんかおかしい。


小さくため息をつくと、彼が店内に入ってきた。


「ゆかり!遅れてごめん。」


徳ちゃん…、佐々木徳光、私の彼氏。
徳ちゃんは息を切らして、席についた。


「ううん、いいよ。どうしたの?」


「それが…」


徳ちゃんは、少し深呼吸をして、息切れをおさめた。


「……ゆかり。」


「ん?」


「お前は、何歳からがおっさんだと思う?」


「……はい??」


私は、目が点になった。