「そんなことが、あったのか。」 「うん・・・。」 「その男の事まだ好きか?」 「分からない。」 「そうか。会いたいとは思うか?」 「・・・今は・・・今は、会いたくない。渉の、傍に居たい・・・。」 「そうか。なら、いればいい。雪乃として。」 最後の言葉はよく分からなかった。 雪乃として・・・。 私は、意識がここで切れた。 寝不足のせいかは分からないけど・・・。 きっと、渉は婚約者として私の傍にいるんだ。 渉も、きっと・・・。