そう大きな声で叫びたかった。



みんなに言いたかった。



だけどそうしようとする度に田山君の必死に耐えてる姿が見えて。



あたしは結局言えないまま、こうして日々を過ごしている。




田山君に話を聞くと、最近まで口を聞いてくれなかったご両親だったけれど、
昨日やっと田山君を荒川さんの家に呼んでくれたそうだ。



田山君は卒業したら自衛官になるそうで。



昔から思い続けていた夢と、荒川さんとの将来をきちんと考えているみたい。



あたし達みたいにすぐに結婚とはまではいかないみたいだけれど、
それでも自分達のペースで一緒になるんだと、意気込んでいた。




そんな姿を見たら



言葉を聞いてしまったら



あたしはこれ以上何も言えない