「なに、泣いてんだよ」 「だ、だって」 必死に涙を拭っていると、袖を引っ張られた。 「まま、ないてるの?」 いつの間に起きていたのか、花が心配気な顔であたしに訊く。 「ううん、何でもないよ」 そっと頭を撫でると、花はまた眠った。 「ったく、センサーだな」 「センサー?」 「お前が泣くと起きるっていうセンサー」 「何それ」 ごめんね、花。 もっともっとママ、頑張るから、 ううん、パパと頑張るから、 だからいつまでもずっと一緒にいようね