想があたしの頭から手をはなし、今度は花に視線を落とした。 「俺は花が俺たちがいる事で笑顔になれるなら、それでちゃんと親をやってれると思う」 「笑顔?」 「そう、笑顔。思い出してみろよ」 「ママ、おかえりなさい!」 学校帰りに迎えに行くと、いつも笑顔を見せてくれた。 「ママ、だいすき!」 たとえば花の好きなものを作ってあげた時、 たとえばあたしが花に大好きと言った時 いつも笑顔であたしにだきついてきた。 「お前の中の花はどんな感じ?」