プリンセスの特別な事情



「ってことで、お詫びなんだけど…。今日のランチ2人におごるよ、俺が」


そう唐突に切り出して笑ったトムさん。


いや…そんなこと悪いしそういうの良いんだけどな…。


そう思っていると。


「僕たちの分もおごってくれるんですよね、トム?」


笑顔で聞いているシンさんだけど…笑顔がかなり怖い。


しかもさっきと口調変わってるし。



「ん、あぁ…」


確実にトムさんの笑顔がひきつっているのは見間違いではないと思う。


「真紘は良いとして、私までは悪いんだけど…」


とおずおずと言いだす莉子。