楡崎志麻子は早織の大学時代の友人である。

 隆史と早瀬も志麻子のことを知っているくらいには早織と志麻子は仲が良く、志麻子が沖縄に行ってしまう話を聞いた時は早織は淋しがっていた。

 隆史も早瀬も志麻子のことは好きだ。類は友を呼ぶというのか志麻子も早織のようにおっとりとした人柄で、和むのである。

「早織ちゃん、久しぶり」

 迎えに来ていた志麻子は早織の手を取り喜ぶ。

 見て回るところは志麻子がいくつか挙げて早織が決めておいた。隆史と早瀬も遊びやすいように日程はゆるく組んである。

「いっぺんに何ヵ所も回ろうとするとバテるのよ。沖縄って暑いから」

「なあに、志麻ちゃん、バテたことあるの」

「あるわよ。大変だったわよー」

 早織が遊びに来るというので、志麻子も休みを取ってくれたらしい。

 一日目は南部と首里城を見て回る予定だ。

 早織たちを乗せた志麻子の車は走り始めた。



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