夏きらら




 島豆腐とコンビーフハッシュとゴーヤーを炒めて、チャンプルーにした。苦味が飛んだ方が食べやすいかもしれないと祈が時折水を差しながらよく炒めてくれた。

 ポークと玉子焼きも焼いて、ポーク玉子おにぎりも作った。

 お昼が出来上がる頃、祈の祖父が様子を見に来た。

 ふたりが散歩に出かけたいと言うと「私はここでお昼にするから、行ってきなさい」と言ってくれた。

 チャンプルーとおにぎりをお弁当に、麦茶を持って、ふたりは自転車に乗る。

 海でお昼にするのだ。

「祈、コケないでね」

「はーい。コケたら責任取りまーす」

 潮の香りが風に乗って来る。海が近いのだ。

 蝉の鳴き声に混じって、気持ち良くさえずる鳥の声。

 夏が光っていた。



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