「なぁに真剣に本なんか読んじゃってんのー?」

ふいに後ろから降ってきた声と共に、手にしていた本はふわりと宙へさらわれた。


「どれどれー、『自分の心がわかる。夢占い辞典』
・・・って、なにこれ?あきってこうゆうの好きだっけ?」

面白がってパラパラとページをめくる司に、俺は振り返りムゥッと拗ねたような表情を向ける。


「・・・別にそんなんじゃないし。」

実際、もともと占いなんかにさほど興味があるほうではない。

この本には、それなりの理由があった。