その日から、息子は少しずつ私と話すようになってくれた。

まれにだが、笑顔も見せるようになってくれた。

新しいジョークを取り入れたのがよかったのだろうか。

確かにあのジョークは私としても自信があったのだ。

彼のツボをどうにかして掴んで行ければ、更に彼とのコミュニケーションが図れるようになるだろう。

きっとつまらない芸人も、こうして技を磨いていくのだろう、などと、勝手に分析してみる。

とにかく、彼の子守は無事達成できそうだった。