「うおっ!なんだよ急に…」

バシャバシャと水をはねあげるイルカにリュートは驚いてしりもちをつく。

イルカはシーファに向かって何か言いたそうだが、シーファは目を伏せて首を振った。

「いつも、って言う訳じゃないのね。
紋章といい、謎だけど、ここにはお宝は無いし、カニの子育てにも迷惑だし、戻りましょう。」

「ちぇ〜結局、ハズレかよ…」

そう言って立ち上がろうとしたリュートの足をイルカが器用にはらって泉に落とした。

「ぶわっ!がぼ、がぼ、がぼぼっ!」

「なにやってる…早くあがれ。」

しかし、リュートはばたばたするばかりであがろうとしない。
いや、出来ないようだ。
ガルが助けの手を伸ばそうとすると、
とぷん…
という音と共に、リュートは泉の中に沈んでしまった。