おばあちゃんは町外れの路地で日向ぼっこの最中だった。

「おばあちゃん!
この人達がね、神殿の宝のお話が聞きたいんだって。」

「おやおや…まあ、そうかい、そうかい…」

おばあちゃんは女の子の頭を撫でながら、3人に頭を下げた。3人もお辞儀をすると、おばあちゃんは話始めた。

「これは、私が小さい頃に、私のおばあさんが話してくれたお話でね…」

「おばあちゃんのおばあさん…」

「そのおばあさんは若い頃に旅人さんに聞いたそうでねぇ…」

「…まあ、古い話の方が説得力あるわよね…」

かなりの危うさだが、リュート、ニーナは女の子の隣に座り、ガルは壁にもたれて話を聞く。

「おばあさんが出会ったその旅人は、海を旅して見たり聞いたりした伝承を集めては、本を書いていたそうじゃ。
その旅の途中、立ち寄ったある島について旅人は目を輝かせて語ってくれたんだと…
それが、少年のようにキラキラと輝く瞳で、それは惚れ惚れするような男前…」

「おばあちゃんっ!今はお宝の話だよ。
いっつもこうやって話がそれちゃうの。」

頬を膨らませる女の子に、3人は苦笑いを浮かべた。
おばあちゃんは気を取り直して、話を続ける。

「その旅人は海の真ん中に、それは美しい島とそこにある美しい神殿を見つけたそうでな。
調べていく内に、その神殿の中には宝物が大切に、大切にしまわれていて、中に入ることが出来た人間は、見たこともない美しい世界を目の当たりに出来ると語ったそうじゃ。
最後に、出来ることならもう一度、その島に行ってみたいと言って、この島を後にしたんじゃと…」

話が終わるとニーナは立ち上がり、おばあちゃんの手を取った。

「その旅人の本ってありますか?」

「家にはないが…図書館にあるぞ。」

3人は早速、図書館へと向かった。
女の子は、お宝をここに売りに来てねと言って、見送った。

そして、3人はお宝の存在を確信し、本から島の場所を書き写すと、自分達の好奇心が求めるまま、図書館を飛び出した。