「2つの国は交流があったんだけど、ある時からトイスの方での伝承が途切れて、誰も知らなくなってしまった。」

「それを、まだ伝承が残る内に、あの図書館で見つけた本の旅人が知って、書き残したんだな。」

分析をするガルの後ろでリュートが頭の後ろで手を組んで言った。

「旅人さんもここに入ったのかな?」

「いや、話だけ聞いて帰ったんだろう。

―この神殿に入るに値する人物がこの世のどこかにいることを願おう―

だからな。」

ガルが本の最後の一行を述べて見せる。

「確かに、鞄には入らねぇなぁ〜
美しい世界も見れたし…

お宝は人魚姫の恋の思い出か…」

リュートが呟く。
3人は顔を見合わせて笑った。
似合わない、と。

リュートが頬を膨らませて怒ると、やっと太陽とご対面が出来た。