皇国を出た4人は、例の王家のバルームに乗せてもらい…

「へぇ〜これ、こんな快適な乗り物だったのか。」

リュートの頭のタンコブが1つ増え出発した。
ニーナの頭にも当然タンコブはあったが…

途中、クチミチスイ村で世話になった、リルトとリルタ達に挨拶をして…

「おねえちゃん、おにいちゃん!
また、来てね!!」

「こりゃ、皇女様と国を救った勇者様達じゃそ!」

「いてっ…」

まあまあと、2人をなだめて、村を後にした。
リルトはいつまでも手を振ってくれた。

大ガニの洞窟の入り口でバルームを降りて、親衛隊の人に礼を言って別れた。
大ガニはハサミをあげて、歓迎してくれた。

そして登っていく階段…
途中の壁画にシーファはそっと触れる。

「この神殿、昔、人魚姫の為に作られたんだって。」

「人魚姫って…あの?」

「そう。よく話を聞くでしょ?

人魚姫と恋に落ちたのは、トイスの王子で、話しとは全く違って、人魚姫はトイスで王妃になったの。
で、陸生活が長くなって、故郷に帰っていく為のガイドラインとして、あの神殿が作られたの。」

「なるほど、王家の姫の為に作られた神殿だから、紋章が鍵なのね。」

壁画に描かれているのは、2人の恋が実るまで。
ニーナもそっと指でたどる。