「泡…になった?
どうして、ヌルドが?」

「…トライデントの光をまともに浴びたからだ。」

セイドがやっと起き上がり、漂うシーファを見上げ言った。

「うっ…でもっ…シーファは…なんで…っ…」

ニーナはしゃくりあげながらも言葉をつむぐ、話していないとおかしくなりそうだ。

「トライデントは王家の神器、真の持ち主に牙を向けることはない。」

「――!!」

「じゃあ!シーファは、シーファは無事なのか?」

ガルの表情に動きが表れ、リュートがセイドに掴み寄る。

希望が胸に溢れてくる。
見上げると優しい光に包まれて、シーファがゆっくりと降りてきていた。

城の泡の中に入ると同時にシーファの体が光を放ち、シーファは鎧姿から、美しいドレス姿へと変わった。
ドレスは海のように青く、滑らかだった。

「あの姿は…?」

「…あれは…王位を継承する時に着るドレス…
ああっ…シルフェリア…」

セイドに支えられ、アリアはシーファの姿に涙を流した。

シーファの体は調度、ガルの目の前に降りてきた。
まさに女神が舞い降りたようだった。

「…シーファ…」

ガルがシーファを支える腕に力を込めると、羽根のようだった重みが次第に増し、実感できるようになったころ、ガルはその体を抱き締めた。