ヌルドはガルの目の強さに眉をしかめて、シーファに視線を移した。

「シルフェリア。これは予言です。
あなたは、必ず、私についていくと言うでしょう。」

「バカなことを言わないでっ!あなたについていくことなんて絶対にあり得ないわ。」

「そうですか…では、少し本気を出しましょう。」

ヌルドはトライデントを大きく振り上げた。
すると、後ろの滝が全て持ち上がり、巨大な蛇の形となった。

「ほら、流されないように、何かに掴まってくださいよ?」

トライデントを振り下ろすと同時に、蛇が頭から襲いかかってくる。

と、床で弾けて、大津波に姿を変えた。

「なっ!」
「きゃああっ!」
「何かに掴まれっ!」

部屋いっぱいに広がった津波は、全てを洗い流した。

瓦礫も、倒れたビュウとアーターも。
ガル達は、床の窪みに掴まり、水が引くまで耐えきった。

「ぶはっ!
もう、終わったか…?」

「危なかった…」

リュートとニーナが頭を振り、水を払いながら立ち上がる。

ガルも立ち上がるが、すぐ後ろにいたはずのシーファの姿がなかった。

「シーファ?シーファ!」

「シルフェリアなら、こちらですよ。」

水で作られた壁の向こう、水の球体に入れられて、シーファはヌルドの隣に浮かんでいた。