「いけっ!雷流っ!」

リュートが雷流を伸ばすのと同時にニーナが弾火を乱射する。

それらはあっけなく、水の壁に阻まれてしまった。

「あっ!ちくしょうっ!
――――ぐあっ!」

突然リュートが叫び声をあげて膝をつく。

「リュート!?」

「なんか、痺れた…」

リュートの後ろから、シュルシュルと水の蛇が逃げていく。

「まさか…っ!
リュート!雷流はダメっ!」

シーファの声は一歩遅く、リュートは二度目の攻撃を繰り出していた。

やはり、それは水の壁に遮られた。そして…

「―――くぅっ!」

リュートの後ろでシーファが声をあげた。

「シーファ!?なんで…」

「水よ…
水は電流をよく流す。
水で作った壁をつたわせてあの蛇で後ろから雷流の力を返していたのよ。」

「流石、シルフェリア。
もう少し、私がトライデントを使いこなすのに手間取っていると思っていて欲しかったですがね…」

ヌルドはニヤリと笑い、トライデントをくるくると回してみせた。

「どうするの?雷流も効かないし、当然弾火も…」

「攻撃の威力を減らして、その分を防御に回した、というところか…

それなら!」

ガルは石の針を手にすると思いっきりヌルドに向かって投げた。

ヌルドが飛ばし外れた、水の針を地変で避け際に触れて、石にしたものだ。

「おお!これなら水も突き抜けるぜ!」

しかし、石の針は下から勢いよく吹き上げた水にすべて弾かれてしまった。