すっかり日も落ち…たかどうかは海底では分からないが、封印を解き、ここに至った経緯をセイド達に話し終えると、休むように部屋と食事を用意された。

セイドは、主にニーナの説明を難しい顔で聞き、話しが終わると、アリアと共に神妙な顔つきで姿を消した。

なんとも首を捻ることばかりだが、シーファはアリアのどこか嬉しさと寂しさが入り交じった表情が頭から離れなかった。

「―――よう。ね!
って、聞いてる?シーファ!」

「あ、ごめん…何?」

女部屋として通された部屋のベッドに腰掛け、ぼーっとしていたシーファの目の前でニーナが手を振った。

「だから、もし何か罰を受けるんだったら、逃げようって言ったの。」

「うん、そうだね…
でも…多分、そんなことにはならないよ…」

「ま、それに越したことはないんだけどね…
にしても、こんな海の底に皇国があるなんてびっくりよね〜
リュートなんて興奮しすぎで寝れないんじゃない?」

「そうね…」

「………あーあ!私はいろいろありすぎて疲れちゃった。だから、もう寝るね!
シーファも早く寝なさいよ?」

ニーナはそう言って自分のベッドにダイブした。

何を言っても生返事、自分でも変なのは気付いてる。でも、ニーナはあえてそれに触れなかった。
でも、自分から話すことも出来なかった。

……この皇国が、懐かしい…なんて。


一方、男部屋ではニーナの予想通り、リュートが窓の外から見える景色にすっかり興奮していた。

「リュート、黙ってもう寝ろ。うるさくてかなわん。」

「え〜、お前はすげえと思わないのかよ?
この景色!俺達海の中で寝ようとしてるんだぜ?」

リュートは大きな動作で窓の外を指した。

「だから早く寝ろっていってんだよ…」

リュートはそれで黙った。こういう言い方をするガルは本当にイラついている時だ。
仕方ないので、口を尖らせてしぶしぶベッドに潜り込んだ。

ガルはそんなリュートを横目で確認すると、自分もベッドに横になった。

天井を見つめて今日起こったことを思い返していた。
そして頭によぎった予感…
何かを失うかもしれない…