「……、麗夜…」 「……那月さ…」 後ろから声をかけられて振り向くと目の赤い那月さんだった。 「……急で、悪いな…」 「……」 何て答えればいいのかわからなかった。 本当なら、俺がもっと小さい子供なら誰彼構わず罵って怒りと悲しみをぶつけただろう。 だけど、この歳までくるとそうはいかない。 言葉は口から出ないのに……… 何で、目から涙は出てくるんだ…… 「……そうか、麗夜は麗桜に似たのか…」 那月さんは小さく呟いて目を伏せた。 それに構う事もなく、ただ呆然と彼等の亡骸を見ていた。