『………泣いていいよ』
「………ぅっ…」
那月は、その場にしゃがんで嗚咽を漏らし始めた。
隣にしゃがんでその背中をさする。
『………徹ね、私が拉致された時の抗争で死んだの』
「………」
那月は、無言で赤くなった目で私を見つめて聞いていた。
『……それは酷い結果だったよ。
華櫻は勝ったモノの、私を拉致した組が汚くてな。
鉄パイプ、ナイフやら銃、何でもありだったよ。
負傷者は大勢。死者も結構居た。
……徹は、私の不注意で行われた抗争で死んだ。
……私のせいなんだ。
だから、、私を殺したいなら、殺しな。』
私は徹と佳菜子の墓場に目をやった。