気がつくと、いつもの教室に僕はいた。 「こら遅刻だぞ」 教壇から先生が僕に呼びかける。 すみません、と謝ろうとしてそちらを見ると、教壇にいたのは茶色い毛並みの犬だった。 呆気に取られつつも、慌てて自分の席に着く。 隣の席の山田もまた犬で、 「寝坊したのか?」 とかのんきに言っている。 白と黒がまだらになった、雑種だった。